「毎月勤労統計」の不正調査について再検証していた厚生労働省の特別監察委員会は27日、追加の報告書を公表した。厚労省が組織的に不正を隠蔽(いんぺい)したかどうかについては、「意図的に隠したとまでは認められない」と判断し、改めて否定した。全体的に1月に公表した中間報告書の認定と変わらない内容となった。
この統計は政府が政策立案する際の根拠とする「基幹統計」の一つで、賃金の動向などを調べるもの。従業員500人以上の事業所は全て調べるルールだが、厚労省は2004年に東京都分を抽出する不正調査を無断で開始。さらに、18年1月から不正データを本来の調査結果に近づけるデータ補正をひそかに始めた。
追加報告書では組織的隠蔽について、当時の担当者らが「深刻な不正であるなどと捉えていたとは認められなかった」と否定。「綿密な打ち合わせや周到な準備がなされた形跡はなく、その場しのぎの事務処理をしていた」と認定した。
局長級以上の幹部レベルについては「事務次官らの上層部の指示は認められない」などとした。一方、担当課(室)については「組織としての独自の判断・怠慢で不適切な取り扱いがなされてきた」と指摘した。
不正調査を始めた動機について…