職員への暴言が発覚し、兵庫県明石市長を辞職した泉房穂(ふさほ)氏(55)が、再び市長選に挑むのか態度を明らかにしないまま、約1カ月が経つ。すでに元市長と新顔2人の計3人が立候補の意思を表明し、告示は10日に迫っているが、選挙の構図が固まらない。
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立候補を表明しているのは、元市長で県議の北口寛人(ひろと)氏(53)=無所属=、元県議の新町美千代氏(71)=共産=、元同県加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏(63)=無所属=の3人。
市への政策提言に取り組む市民グループ「市民自治あかし」は2日、立候補予定者による公開討論会を市内で開く。松本誠代表(74)によると、泉氏からは2月25日、「謹慎中の身であり、ご容赦ください」と参加を断るメールが届いた。他の予定者3人は参加する意向で、松本代表は「仮に泉氏が公開討論会に出ずに立候補したなら、市民から厳しい目を向けられるだろう」と指摘する。
泉氏は2017年6月、国道用地の買収の遅れに激高し「(建物に)火つけてこい」「燃やしてしまえ」と激しい口調で担当幹部に暴言を浴びせた。録音データが明らかになり、「パワハラよりひどいこと」と発言を認めた泉氏は「自らへの処分」として、2月2日に辞職し、同28日には退職金1396万円を受け取った。
市長選は本来、泉氏の2期目の満了にあわせ、4月の統一地方選で予定されていたが、約1カ月早まった。今月3日には立候補予定者への説明会があり、同17日の投開票に向け、準備が慌ただしく進む。
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