インドとパキスタンが係争地カシミール地方の停戦ライン(実効支配線)を挟んで戦闘機での空中戦や空爆を繰り広げた問題で、パキスタンが拘束後に身柄をインド側に引き渡すとしたインド軍機の操縦士を乗せたとみられる車列が1日、両国の国境の検問所に到着した。同日中に送還される見通し。パキスタンはこれで事態収拾を図る狙いだが、インドの出方に注目が集まっている。
パキスタンの地元テレビの報道によると、操縦士を乗せたとみられる車列が1日午後、パキスタン側の国境の町ワガにある検問所に到着した。
パキスタン軍は2月27日、係争地カシミール地方の停戦ライン付近を飛んでいたインド軍機を撃墜し、緊急脱出した操縦士を拘束。パキスタンのカーン首相は、28日の国会で「融和の姿勢を見せるため」として操縦士を解放する意向を表明した。
早期解放を打ち出すことで、軍事的に強力なインドとのさらなる衝突を回避するとともに、パキスタンが先んじて譲歩を演出することで、インド側に国際社会の批判を向けさせる狙いがあるとみられる。
パキスタン軍は当初、インド軍…