北海道室蘭市は1日、閉館した福祉センターの敷地について、入札によりマイナス881万4千円で売却することになったと発表した。落札者側が建物を解体することが条件。室蘭市によると、自治体が負担金を支払って公有地を処分するのは全国で2例目という。
対象は「市総合福祉センター」の敷地約5642平方メートル。新しい施設が完成し、昨年10月末に閉館した。市は人口がピーク時から半減しており、不要になった公共施設の集約を進めている。従来は建物を解体し、更地にしてから売り出していたが、解体費用が障害となり、処分が進まないケースもあったという。
室蘭市は今回、建物の解体費用を見積もり、土地を不動産鑑定した。その結果、財産価値がマイナス881万円と分かり、最低入札価格にした。落札した老人ホーム運営会社さわやか倶楽部(北九州市)は有料老人ホーム(定員約50人)を建てる計画という。
青山剛市長は「高額な建物解体費が障害となって活用が難しくなる恐れのあった土地を、民間活力によって素早く開発していただく手法として、有効だと考えている」とコメントした。(三上修)