自民党は1日の総務会で、ダウンロード(DL)違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案の了承を先送りした。漫画家らが表現の萎縮につながるとして修正を求めており、「直接かかわっている人の懸念を払拭(ふっしょく)していく必要がある」との判断で一致した。
改正案は、権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら漫画や写真、論文をダウンロードすることを違法とする。これに対して日本漫画家協会は、規制する行為を絞り込むよう主張し、修正を求める声明を公表している。
この日の総務会では、今国会で成立させる必要性については一致したものの、「(関係者への)説明不足だ」との意見が相次いだ。加藤勝信総務会長は記者会見で「漫画家の利益を守るのが今回の措置なのに理解が得られていない」と話し、改正案への理解を求めていくよう促した。(及川綾子)