政情不安が続く南米ベネズエラを巡り、米国は1日、国民向けの支援物資の搬入を妨害したとして、ベネズエラ軍高官ら6人に経済制裁を科すと発表した。米国はすでに国営石油会社の社長らも制裁対象にしており、マドゥロ政権に対する圧力を強めている。
政権側は先月23日、隣国コロンビアやブラジルからの支援物資の搬入を、軍や警察を使って阻止。AP通信によると、治安部隊による発砲などで2人が死亡、約300人が負傷した。ベネズエラでは食料や医薬品が不足する人道危機に陥っているとされる。
米財務省によると、6人は物資搬入を妨害した軍や治安部隊を指揮したという。ムニューシン財務長官は「米国はグアイド暫定大統領の努力を強力にサポートし、人道危機の犠牲者の苦しみを長引かせるマドゥロ氏の支持者を標的にしていく」としている。一方、米国はマドゥロ氏派の政府関係者やその家族のビザの取り消しも実施。2月28日に49人が取り消されたという。(ワシントン=高野裕介)