宮内庁は8日、大礼委員会を開き、憲政史上初めてとなる天皇陛下の退位に伴う一連の祭祀(さいし)の詳細を決定した。天皇陛下の意向を踏まえ、簡素に執り行うこととし、一部は私費である「内廷費」を充てる。
退位に伴う一連の行事は、12日に天皇陛下が宮中三殿に退位と期日を報告する儀式を皮切りに始まる。4月30日に国事行為として行われる「退位礼正殿の儀」まで、11の行事が予定されている。
8日の会合では、正殿の儀以外の、皇室行事である10の祭祀の詳細を決めた。約30年前の天皇陛下の即位時などを参考にしつつ、三権の長を招かない▽宮殿で実施していたものをお住まいの御所で行う――など簡素化を図った。祭祀の供え物や、4月に天皇、皇后両陛下が伊勢神宮に参拝する移動費などを内廷費で賄うという。
西村泰彦次長は「全体として粛々と静かに執り行うことを基本として、次第の立案を行った」と説明した。両陛下が昭和天皇山陵(東京都八王子市)を参拝する日も4月23日と決まった。(多田晃子、中田絢子)