全国有数のお茶どころながら知名度が低めで、静岡への原料供給地に長らく甘んじていた鹿児島県。その原因の一つが「ブランド」の乱立だった。そこで2年前、10年に及ぶ協議の末に最大産地の統一ブランドが誕生。「知覧茶」としてのPRが実り、最近の市場シェアは静岡に迫る勢いをみせている。
鹿児島県内の生産量の半分を占める南九州市は2007年12月、知覧、頴娃(えい)、川辺の旧3町が合併して誕生した。それを機に、旧町ごとの「知覧茶」「頴娃茶」「川辺茶」という三つのブランドも統一協議が始まった。
しかし、ずっとライバル関係にあった3地区の生産者同士の協議は難航。生産者が多い「頴娃」は、知名度のある「知覧」に譲りたくなかった。一方「知覧」も、統一で品質や希少価値が下がることを心配して反対する声が多かった。
歩み寄りのきっかけは、お茶の…