金融庁は8日、ウソの事業を名目に投資を募ったとして、ソーシャルレンディング中堅エーアイトラスト(松本卓也社長、東京)の金融商品取引業の登録を取り消し、業務改善命令を出した。同社への行政処分は昨年12月に続き2度目。今後は投資勧誘ができなくなる。
発表によると、同社は受注した高速道路工事の材料費などの名目で資金を集めたが、実際は受注しておらず、虚偽の募集だった。昨年11月までに集めた52億円のうち15億円は同社取締役が実質支配する会社に流れていた。昨年の行政処分では、同社は架空の除染事業などでも資金を集めていたと認定された。
エーアイ社は8日、「処分内容を厳粛に受け止め、命令を着実に履行する。今後(投資)募集は行わない」などと発表した。同社では財務省や国土交通省、防衛省のOBが取締役などに就いていた。