EUの本部があるベルギー・ブリュッセルで開かれたデモの参加者。各国の政府、政治家に地球温暖化対策に本腰を入れて取り組むよう訴えた=2月21日、津阪直樹撮影
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高校生らが授業をボイコットして、地球温暖化問題の深刻さを訴えるデモ「学校ストライキ」が昨年から欧州で始まり、世界に広がっている。地球環境が危機的な状況なのに、政治主導の取り組みが鈍い。そんな不満を大人たちにぶつけるためだ。学校をサボる行為が議論を呼んで注目度を上げ、若者たちの声が環境政策での具体的な政策提言につながり始めた。3月15日には欧州だけでなく、米国やオーストラリア、日本などを含む全世界でデモが呼びかけられ、数十万人が参加するとみられている。そんな訴えの現場を訪ねた。
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ベルギーの首都ブリュッセルに2月21日、国内を中心に中学や高校生年代の生徒ら約7500人が集まった。ブリュッセルは、史上初めて全ての国が参加する地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の運用で、重要な役割を担う欧州連合(EU)のおひざもとだ。
「政治家は、本当に必要な温暖化対策を知っているが、実行するのは難しいと思って隠している」。デモに参加したリュシーさん(16)はそう話した。ジョナスさん(17)も「科学者は警鐘を鳴らしてきた。政治家が行動を起こす番だ」と訴えた。
たった1人で始めた
EU主催のシンポジウムに参加した後、記者会見するグレタ・トゥンベリさん。「政治家からは具体的な約束は何も得られていない」とデモの成果は不十分だと指摘した=ブリュッセル、2月21日、津阪直樹撮影
このデモに、ひときわ注目を集める1人の女性がいた。スウェーデンの16歳の高校生グレタ・トゥンベリさんだ。
「政治家が何かをするまでストライキを続けよう。我々は今、世界を変えているだけではなく、世界を救っている」
デモが終わった後、トゥンベリさんが参加者にマイクで呼びかけると、大きな歓声がわいた。
トゥンベリさんは2018年夏、地球温暖化の危機を訴え、スウェーデンで授業を欠席する「学校ストライキ」をたった1人で始めた。
米フロリダ州の高校で同年2月…