全国1位の湧出(ゆうしゅつ)量と源泉数を誇る名湯、別府温泉(大分県)の全体状況と資源量を把握しようと、県と別府市は4月から、市内に約2300カ所ある全源泉を対象に2年がかりの調査を始める。近年、温度の低下や蒸気量の減衰傾向がみられ、現状を心配する声が出ているためだ。
市内すべての源泉を調べるのは初めてで、対象は、県の温泉台帳に載っている2292カ所。湧出量、温度、pH、利用状況などを調べる。市有の約190カ所以外は民間施設や個人などが持つが、市は所有者に協力を求め、湯を薄める地下水の利用実態も調べたい意向。県は結果を有識者の検討会議に諮り、過去の調査データと比較するなどして、持続可能な利用のあり方を探るのに役立てる。
温泉の掘削許可権を持つ県によると、掘削申請を審議する県環境審議会の温泉部会で、別府温泉について申請者から「深掘りしないと温度が下がる」「沸騰泉が減った」といった声も上がっているという。
さらに、市の2016年度の調…