大阪で主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催されるまで、20日であと100日。大阪府警は6月28、29日の開催に向け、要人警護のため大規模な交通規制を検討するとともに、大阪市内とその周辺の「交通量50%削減」を呼びかけている。果たして実現なるか――。
京阪神の高速道路が通行止めになると、大阪府内では茨木市から東大阪市と八尾市の市境付近までの府道に約20キロの車列ができる。迂回(うかい)先となった一般道は、出勤のマイカーや業務車両であふれる……。
これはG20のシミュレーションではない。大阪府北部で最大震度6弱が記録された昨年6月18日の道路状況だ。府警幹部は「単に高速道路を規制するだけでは、同様のことが起きかねない」と懸念する。
各国首脳はG20とその前後を含めた計4日間(6月27~30日)、関西空港やホテル、会場となる国際展示場「インテックス大阪」(大阪市住之江区)を断続的に行き来する。車列警護のため、大阪市中心部を巡る阪神高速環状線(約10・3キロ)は深夜~早朝を除いて封鎖せざるを得ない。これに伴い、周辺の高速道路も規制される見通しだ。
府警の試算では、梅田・難波周辺の主要道路が交わる交差点6カ所の交通量は通常の約1・4~2・5倍に膨らむ。このため平日約86万台(昨年6月)とされる大阪市内を中心とする周辺地域の交通量を大幅に削減する必要があると判断。昨年10月に打ち出した目標が、「50%削減」だ。
ポイントは、通行量の多くを占…