参院選と統一地方選が重なる12年に1度の「亥年(いどし)選挙」の幕開けとなる11道府県知事選が21日、一斉に告示された。北海道では与野党が全面対決の構図になり、福井、島根、徳島、福岡の4県では自民党内で推す候補が割れる分裂選挙に突入した。夏の参院選に向け、各党の勢いを占う選挙戦になる。
告示されたのは、北海道、神奈川、福井、三重、大阪、奈良、鳥取、島根、徳島、福岡、大分の11知事選。21日午前10時までに、3~5期目をめざす現職8人と新顔21人の計29人が立候補を届け出た。
亥年選挙では、統一地方選として計約1千件の首長選や議員選が全国各地で約1カ月にわたって続き、夏の参院選に至る。4月には衆院の大阪12区と沖縄3区で補欠選挙も行われる。自民党にとっては、国政選挙で集票を担う地方議員や支援者らの選挙疲れが課題とされる。
ただ、野党は攻め切れていない。告示された11知事選のうち、野党第1党の立憲民主党と同第2党の国民民主党が推薦した候補は、いずれも2人にとどまった。共産党は3人を公認、6人を推薦している。
唯一、野党統一候補を立てたのが北海道知事選だ。無所属新顔の石川知裕・元衆院議員を立憲、国民、共産、自由、社民の5党が推薦。高橋はるみ知事が事実上の後継として推す無所属新顔の鈴木直道・前北海道夕張市長=自民、公明推薦=と激突する構図になった。立候補は午後5時まで道選挙管理委員会が受け付けるが、両氏の一騎打ちになる公算が大きい。
一方、福岡県知事選では、自民党が地元選出の麻生太郎副総理と、二階俊博幹事長率いる二階派の国会議員で別の候補を推す分裂選挙となった。ほかに分裂選挙となった3県でも県連組織が割れるケースが目立つ。前回の2015年統一地方選では、全10知事選で自民党が推薦・支援した現職が圧勝して翌16年参院選に勢いをつなげたが、今回は党内にしこりが残る可能性もある。
統一地方選の前半戦は、ほかに6政令指定市長選が24日、41道府県議選と17政令指定市議選が29日にそれぞれ告示される。知事選を含め、いずれも4月7日に投開票される。後半戦は市区町村の首長や議員の選挙が行われ、投開票日は4月21日。この日には衆院補選も投開票される。(別宮潤一)