米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)が20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げについて2019年の年内は見送り、20年中に1回利上げして打ち止めとする見通しを示した。金融を引き締める効果を持つ「保有資産の縮小」についても19年9月末で終えると決めた。
リーマン・ショック後の危機対応として始まった金融緩和を元に戻す「正常化」の政策は、当初の想定より早めに終わる見通しとなる。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で、「米国経済は19年も底堅い成長が見込まれるが、18年の非常に強いペースからは減速しそうだ」と指摘。欧州や中国の景気減速のほか通商問題などを挙げ、「昨年以来、国内外で注意深い検討を要するできごとが起きた」と述べた。
FRBは1月から、世界経済の減速などを踏まえ、利上げについて「辛抱強くある」というキーワードを使って当面の休止方針を打ち出し、緩和方向に政策を転換。パウエル氏は会見で「政策変更の必要性を検討するのにあたっては辛抱強くなければならない」とあらためて述べた。政策金利の誘導目標は「年2・25~2・50%」で据え置く。
国債などの保有資産を減らして金融を引き締める政策については前回1月のFOMCで、予定を前倒しして、19年内に終えることで参加者がほぼ合意していた。今回の会合で、終了時期を9月末と決定。10月以降は、満期を迎えた住宅ローン担保証券(MBS)などを国債に切り替えるなどして資産の構成を変えつつ規模は維持する。
FRBはリーマン・ショック後…