米国で政治家をめざす女性が増えている。昨年11月の米中間選挙では、過去最多の女性が連邦議員に当選し、ネバダ州議会は米史上初めて女性議員が男性議員の数を上回った。米国は日本と同様に女性の政治参加は遅れていたが、今では女性対象の「政治塾」は各地で大にぎわいだ。女性躍進を支える現場を歩いた。(アトランタ=沢村亙)
「みんなで気合を入れましょう!」。司会者が呼びかけると、大学講堂を埋めた若い女性たちが「頑張るぞ!」「出馬準備完了!」と元気よく応じた。2月9日、南東部ジョージア州アトランタ郊外で、政治家をめざす若い女性を対象にした研修会が開かれていた。
2040年の大統領選に照準
連邦下院議員を含む現職の女性議員が、なぜ政治家をめざし、どんな活動をしているかを講演。どうやって地域のニーズをくみ取り、立法や政策に反映させるかを具体的に教える講義もあった。企業幹部など多彩な女性講師陣は、リーダーの心構えを説いた。
「自分が選挙で勝てるはずはないという先入観は捨てて、自信を持って」「男性から『今晩一杯飲みながら打ち合わせよう』と言われたら、『朝8時にコーヒーを飲みながら話しましょう』と返して」といったアドバイスも相次いだ。
参加した約200人の多くは大学生だが、高校生もいた。高校生のクレアさん(16)は「教師をめざしているけれど、政治家になって教育問題に取り組もうかな」と目を輝かせた。
主催したNPO「イグナイト」によると、こうした研修会を2012年から開いており、ヒラリー・クリントン氏が大統領選に出た16年ごろから申し込みが5倍以上に増えたという。
研修会のランチタイム。アトラ…