寝泊まりできるバンタイプの車を拠点に生活する「バンライファー」が全国から集う「つくばVAN泊」が、茨城県つくば市内で開かれた。移動しながら仕事をし、人とつながる新しい生活スタイルの可能性を探ろうと、市が主催した。
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イベントが開かれたのは21、22の両日。市中央公園に隣接する空き地にバスやキャンピングカー、移動販売車など約40台が並んだ。机や本棚を置いたオフィス、寝床で生活できる住居、バスで缶酎ハイを振る舞う「動くスナック」……。見学者らは持ち主が好みに合わせて改装した車内に入り、使い心地などを尋ねていた。
志賀章人さん(34)と成瀬勇輝さん(30)の2人は、約1年半前からバスを改造した車で全国を移動。各地の寺や観光施設を紹介するスマホ向けアプリ制作の仕事をしている。
車の上に設置したソーラーパネルで電気をまかない、トイレはコンビニや公衆トイレを借りる。風呂はスーパー銭湯やジム。三重、山梨、新潟など様々な土地を渡り歩いた。冬は寒いので、直近は温暖な沖縄で生活していた。
沖縄の伝統楽器の三線(さんしん)を教わったり、車の修理道具を借りたり。仕事が終わるまでの滞在期間は1~2カ月で、その間に地元の人とつながりが生まれる。「旅をして仕事をしながら地元の人とかかわるのが楽しい」と志賀さんは話す。東京・渋谷で暮らしていた成瀬さんによると、家賃がかからないため、生活費は約3分の1で済むという。
出展者らのトークショーでは、駐車して寝泊まりできる場所の確保といった課題や、移動できる利点をいかした防災への活用、人口減少が進む地方の活性化にどう結びつけるかなどの可能性が話し合われた。(鹿野幹男)