東京電力ホールディングスは29日、東通原発の建設が中断している青森県東通村に、企業版ふるさと納税制度を使った寄付を申し出た。寄付額は2018年度分として約2億円で、19年度分の寄付も検討するという。29日が18年度分の寄付の手続きを取る事実上の最終日だった。
福島第一原発事故を起こした東電には多額の公的資金が投入され、実質国有化されているほか、廃炉作業や原発事故に関する賠償も道半ばだ。再稼働や新設を進める立地自治体への寄付は議論を呼びそうだ。
東電の東通原発は11年1月に工事計画が認可され、順調に進めば17年3月に運転開始予定だったが、東日本大震災以降、本格的な工事は中断している。固定資産税などの税収を見込んでいた村は緊縮財政を強いられ、旅館などの廃業も相次いだ。村は、農水産物のブランド化など3事業(総事業費8億円)に関し、寄付すれば法人税などが安くなる企業版ふるさと納税制度を導入し、電力事業者らに寄付を呼びかけていた。
村には運転を停止している東北電力の東通原発もあり、東北電も今月18日、2年で計約4億円の寄付を申し出ている。
公費が投入された東電は経営合…