仏紙フィガロ(電子版)は1日、仏ルノーのカルロス・ゴーン前会長が、同社の金を使って中東オマーンの同社と日産自動車の販売代理店へ数百万ユーロ(数億円)の不透明な支払いをしたとして、ルノーが仏検察当局に通報したと報じた。同日、同社で開かれた監査委員会に内部調査結果が報告されたという。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
同紙は数百万ユーロの使い道を示していないが、この金はゴーン前会長が管轄するお金で、日産のCEO(最高経営責任者)直轄の「CEOリザーブ(予備費)」と似た構造だと指摘している。
CEOリザーブをめぐっては、ゴーン前会長が2009年1月にオマーンのこの販売代理店のオーナーから私的に3千万ドル(現在のレートで約33億円)を借り入れ、この後に同リザーブを原資として日産子会社から代理店に計約3500万ドル(同約38億円)を送金させていたことが、関係者への取材でわかっている。
ルノーは1日、朝日新聞の取材に「コメントは控える」と答えた。(パリ=疋田多揚)