そろり、そろり。お笑い芸人のあのネタで、すっかりおなじみになった狂言は、いまの時代で言うコント。なのに古典芸能というだけで、「よくわかんないけど、難しそう」と敬遠されがちだ。そんな先入観を壊そうと、京都の狂言大蔵流・茂山千五郎家が、捨て身の作戦に出た。
記者会見に現れた狂言師たちの様子が、おかしい。
「志は、高い。」という謎のロゴTシャツに、ジャージー姿。あるいは、薄毛のカツラに、フェルトペンで描かれたようなおでこのしわ。
いつもの会見なら、役者たちは和装かジャケット姿で臨むが、この日は「昭和の先生風」というコスプレ。
教頭になりきった宗彦(もとひ…