怪獣映画をイメージした大阪府池田市のPR動画「池田の大決闘 ひよこちゃんvsウォンバット」が、公開から5カ月でネット上での再生回数が16万3千回を超えた。人気を生かそうと、市は宣伝パネルやガイドブックを作ったが、実名キャラクターで動画に登場している倉田薫市長が22日付で辞職することになり、一転して先行きが不透明になった。
PR動画は前後編の2本立て計8分18秒。チキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」と、市立五月山動物園にいるオーストラリアの珍獣・ウォンバットがともに巨大化して戦い、市内の観光名所を壊しながら紹介する。昨年11月6日から特設サイト(
http://www.ikedashi-kanko.jp/80/
)でネット公開されている。
市役所前に登場した宣伝パネルはタテ1・8メートル、ヨコ5・8メートル。ひよこちゃんとウォンバット、市職員でつくる「忍者集団池田甲賀衆」ら登場人物を描いた。市内の歴史ある建物が火に包まれ、「巨大な怪鳥と迎え撃つ魔獣。懐かしい歴史と文化のまち池田が破壊尽くされる。この戦いに、何の意味があるのか。」と宣伝文であおっている。
五月山動物園とカップヌードルミュージアム大阪池田、池田城跡公園の3カ所にも、小型の宣伝パネルを設置している。
ガイドブックは、動画に登場する池田呉服座、落語みゅーじあむ、ダイハツヒューモビリティワールドなど10カ所を地図付きで紹介。A3サイズ三つ折りの両面カラー印刷で1万部作った。市役所や阪急池田駅の大阪池田ゲストインフォメーション、市観光案内所などで無料で配っている。
動画の公開は今年11月までの予定。だが倉田市長の突然の辞職表明で、14日告示、21日投開票の日程で市長選が実施される。市幹部によると、動画の取り扱いについて市長からの指示はなく、当面は公開を続け、新市長の判断で今後の取り扱いを決める。市幹部は「せっかく作った動画で人気もあるので、市長交代の注釈を入れるなどの工夫で、引き続き、多くの人に見てもらえるようにしたい」と話している。(永井啓吾)