2012年12月、中央自動車道の笹子トンネル内で起きた天井板崩落事故の犠牲者9人を悼む慰霊碑が、山梨県大月市の事故現場近くに完成し、遺族らが13日、除幕した。
場所はいずれも下り線で、事故現場から2キロ弱のトンネル出入り口近くと、8キロ余り離れた初狩パーキングエリア(PA)内の計2カ所に、中日本高速道路(名古屋市)が建立。PA内の慰霊碑は高さ約3メートルの本小松石製で、合掌する手をイメージしたデザイン。犠牲者の名前を刻んだ「名碑」と、事故の概要を伝える「碑文」も両脇に並ぶ。
中日本高速側は当初、碑文に「落下事故」と記す案を示した。だが、遺族側は「天井板が140メートルにわたって崩落した事故の重大さを表していない」と主張。最終的に「崩落事故」と記されることになった。
除幕式には遺族や中日本高速の関係者ら約50人が出席し、事故発生の午前8時3分に合わせ、黙禱(もくとう)した。中日本高速の宮池克人社長は「二度とこのような事故を起こさない決意を新たにする」と述べた。
事故を巡っては、遺族らが昨年8月、業務上過失致死傷容疑で書類送検された中日本高速の元役員ら8人の不起訴処分について、甲府検察審査会に審査を申し立てている。(野口憲太)