「ルパン三世」の原作者で、漫画家のモンキー・パンチ(本名加藤一彦〈かとう・かずひこ〉)さんが11日午後7時26分、肺炎のため死去した。81歳だった。葬儀は近親者で済ませ、後日、しのぶ会を開く予定。
北海道生まれ。高校卒業後、上京してデビュー。1967年、「漫画アクション」(双葉社)で「ルパン三世」の連載を始めた。米国の漫画やイラストの影響を受けたシャープで荒々しいタッチが特色。71年にテレビアニメ化され、世界を股にかける怪盗ルパン三世をはじめ、次元大介、石川五エ門、峰不二子、銭形警部ら魅力的なキャラクターで大きな人気を呼んだ。
アニメはその後も、続編のシリーズや、宮崎駿監督が手がけた「カリオストロの城」(79年)などの映画版、テレビ特番が継続的に制作され、世代を超えて愛されている。2014年には実写映画化、15年には宝塚歌劇にもなった。
作品はほかに「一宿一飯」など。漫画の制作に、パソコンやペンタブレットなどデジタル技術を早くから取り入れたことでも知られる。デジタルマンガ協会の設立を呼びかけて会長も務めた他、03年には東京工科大大学院に入学するなど晩年まで様々な表現に取り組んだ。
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日本テレビは17日、モンキー・パンチさんの訃報(ふほう)を受け、19日の「金曜ロードSHOW!」(日テレ系、午後9時)の放送予定を変更し、映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)」(1978年)を放送すると発表した。
同作はモンキー・パンチさんが原作を手がけた劇場版第1作。クローン技術をテーマに、主人公・ルパンが謎の男マモーと戦う。
19日に放送する予定だった映画「名探偵コナン 天空の難破船(ロストシップ)」の放送は未定。