私的年金の「確定拠出年金」について、根本匠厚生労働相は16日の閣議後記者会見で、加入期間を延長する方針を示した。厚労省は現在の「20~60歳」を「20~65歳」とする方向で検討している。掛け金を払う期間が長くなることで、受け取る年金額が増える可能性もある。2020年の通常国会への確定拠出年金法改正案の提出を目指す。
確定拠出年金は公的年金を補うもので、企業が主に掛け金を負担する企業型と、個人で掛け金を払う個人型「iDeCo(イデコ)」がある。厚労省はいずれの加入期間も65歳まで延ばす方針だ。金融商品の選択など掛け金の運用方法は、加入者が決める。掛け金や運用益は非課税なので加入期間が延びれば、その分、節税効果が高まる。ただ、運用結果次第で受け取る年金は増減する。
加入手続きも簡素化する。いまは金融機関の窓口や郵送で申し込む必要があるが、規則改正などでインターネットでも申し込めるようにする。
根本厚労相はこの日の記者会見で、「加入可能年齢の引き上げや普及拡大の実現を図っていきたい」と述べた。厚生年金の適用拡大などに向けた関連法改正案も、合わせて20年通常国会に提出する。(山本恭介)