世界中から心配されてきた中国経済の減速が止まった。2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除いた実質で前年同期比6・4%増(速報)だった。18年10~12月期から横ばいで、3四半期続いた成長率の鈍化に歯止めがかかった。だが、先行きは予断を許さない。
国家統計局が17日発表した。6・3%を見込んだ市場予想を上回った。3月の主要統計が改善したことが下げ止まりにつながった。
鉱工業生産は1~3月、前年同期比6・5%増だったが、3月は前年同月比8・5%増と急伸し、振るわなかった1~2月の数字を補った。経済成長への貢献が大きい消費も、1~3月は小売総額が前年同期比8・3%増だったが、3月は前年同月比8・7%増で改善傾向に拍車をかけた。
背景にあるのが、18年後半から打ち出されてきた景気刺激策の効果が出たとみられることだ。預金準備率を引き下げ、貸し出しを増やそうとした。19年1月には自動車や家電の買い替え策を発表。3月初めには企業減税と社会保険料負担の削減(年間2兆元弱=約33兆円弱)などを組み合わせた総合対策を打ち出した。
激化する一方だった米中通商紛争が小康状態になったことも相まって、「企業の見通しが明るくなった」(同局の毛盛勇報道官)。
景気刺激策を背景に、市場関係者は4月以降の景気回復を楽観する見方が多い。ただ、米中通商協議は両国首脳による合意時期が決まらない。貿易は1~3月の輸出額がドル建てで前年同期比1・4%増にとどまり、輸入は4・8%減と低迷が続き、景気の行方に水を差す可能性もある。
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