皇室には平安時代から、授乳を母親とは別の女性に任せる「乳人(めのと)」制度の慣例が長く受け継がれ、天皇陛下の幼少時も乳人の女性が担当した。今の皇太子さまが生まれた時に廃止されたが、どんな制度だったのか。その手掛かりが岐阜県で見つかった。
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印象的な一枚のモノクロの写真がある。ひしめくように集まった人たちが、中央に立つ着物姿の女性に目を向けている。天皇陛下の授乳を担当した乳人、竹中敏子さんだ。
敏子さんは岐阜県池田町(旧八幡村)で生まれ育った。写真の横に「乳人御礼挨拶(あいさつ)」と書き添えてある。敏子さんが乳人の役目を終えて帰郷した際、地元を挙げて出迎えを受けた時の写真とみられる。親族が保管していた。
成城大の森暢平教授(54)の…