日本国内から中国に向けて特殊詐欺の電話をかけたとして、警視庁は台湾籍の19~44歳の男女10人を出入国管理法違反(資格外活動)の疑いで逮捕し、18日発表した。タイでは先月、特殊詐欺の「かけ子」とみられる日本人15人が現地当局に不法就労の疑いで逮捕されている。警察当局は国境を越えて電話をかける手口がアジアを中心に広がっている可能性もあるとみて、警戒を強めている。
警視庁組織犯罪対策2課によると、逮捕容疑は3月2~27日、甲府市や山梨県甲州市、千葉県東金市で電話オペレーターとして在留資格外の活動をしたというもの。4人は容疑を認め、「観光目的の短期滞在資格で入国した。楽して稼げるので詐欺の仕事をした」などと述べているという。10人は成田空港で入国審査官に滞在先などについて虚偽の申請をしたとして、同月28~29日に同法違反(虚偽申請)容疑で逮捕されていた。
捜査関係者によると、同月27日以降、甲府市などの借家の一軒家を捜索。20台あまりの携帯電話と電話番号や地名などが書かれた名簿、マニュアルのような中国語の大量の文書を押収した。
名簿には手書きで「○」「×」といった印がついていた。同課は、グループがだましやすさの目安として記載したとみている。
マニュアルとみられる文書には…