政府が新しい元号「令和」を決める過程で1日に開いた懇談会などの議事概要は、国書を典拠とすることや令和に支持が集まった経緯を記した。しかし、政府が提示した六つの原案のうち令和以外は伏せられたまま。議事の詳細を公開するのは数十年先になりそうだ。
【特集】平成から「令和」へ
公開したのは元号に関する懇談会、衆参両院正副議長への意見聴取、全閣僚会議に関する議事概要。政府による説明内容や令和以外の案、発言者は示さず、有識者らの発言の概要をA4判10枚にまとめた。
それによると、懇談会では有識者9人全員が「日本の文化、伝統に目を向けるきっかけになる」などとして国書を典拠とする案を支持。令和について「美しく心を寄せ合って、文化を生んでいこうという象徴」「漢字としてわかりやすく、かつ極めて新鮮味がある」などと賛同する意見が相次いだ。「のりかず」と読む名前が存在するほか、昭和と同じ「和」が含まれているとの指摘もあった。
内閣官房によると、9人中8人が令和を支持。うち1人は他の国書案とともに令和を推した。単独で別の国書案を支持したのは、1人だったという。
衆参両院正副議長への意見聴取では、「内閣でこのうちのどれかに決めてもらえればよい」と委ねる意見が大勢だったとしている。郡司彰参院副議長が「令和」に関して述べたことが分かっている「特定の季節を指すものはどうか」という異論の記載もあった。
全閣僚会議では、「ほとんど」が国書から選ぶことを支持したとした。ただ、どの案にするかの意見は割れ、令和以外の案を支持する意見が相次いだ。岩屋毅防衛相による「令和は牧歌的でいかがなものか」との異論は記載しなかった。内閣官房によると19人の閣僚のうち10人が発言し、うち9人が国書を支持。令和を推したのは4人だった。
「英弘(えいこう)」「広至(…