統一地方選後半戦は21日に終わり、埼玉県の32市町議会で女性議員が141人誕生することになった。新議員に占める割合は22・20%、前回2015年の20・47%(131人)を上回った。
埼玉県内の市町村議会で唯一女性議員がゼロだった羽生市(定数14)で、斎藤万紀子氏(37)が初当選。16年ぶりの女性市議誕生で、2番目の2167票を獲得した。
県市民ネットワークと連動し1月に発足した「はにゅう市民ネットワーク」所属。女性中心に約20人が会計、政策、食事づくりなどの役割を担い、議会担当だった斎藤氏が立候補した。選挙経験のないメンバーで手探りの活動だった。
2年前、夫が脳と脊髄(せきずい)の病気で入院、2歳と5歳の子を抱え「どこに相談してよいのか分からなかった」。不安な日々を過ごした経験から、選挙戦では「みんなが自分ごとにする支え合いの仕組みで、やさしいまちづくりを」と訴えた。
大学を卒業後、専門学校に通い、都内で柔道整復師として働いた後、故郷の羽生市へ。給食の仕事をしながら環境や街づくりのNPOにも参加した。当選後、「様々な立場の人が政治に参加する大切さをこれからも訴えたい」と話した。(高橋町彰)
川口市議選 自民公募で5人
川口市議選(定数42)は、自民が議席数を三つ伸ばし、公認推薦合わせて21議席を獲得、目標の過半数を獲得した。その立役者が女性候補だ。公認4人と推薦2人の計6人のうち5人が当選した。
自民党川口支部は市議選では珍しい公募を実施。女性6人は全員、公募制度を使って立候補した。推薦を受けて初当選した荻野梓氏(34)、益田みなみ氏(32)はともに子育て中。荻野氏は3歳と5歳の子を保育園に預ける間に選挙活動し当選した。「川口を自分の子どもたちが大人になって誇れるような街にしていきたい」と目を輝かせる。
今回、トップ当選して2期目を迎える青山聖子氏(42)も2歳の子の育児中で2人には期待している。「先輩後輩の間柄でなく、フラットな関係で子育て問題など女性目線の施策を実現したい」と話している。(堤恭太)
蓮田市議選 3児母初当選
蓮田市議選(定数20)では小5、小3、年長の3児の子育て中の関根香織氏(33)が、2位の1730票を得て初当選した。関根氏は22日、市役所で当選証書を受け取り、「うれしい半面、身の引き締まる思い。ママ友や住民との世間話から市政への声を拾い、実現に向けて取り組む」と話した。蓮田で一番話しやすい議員をめざすという。
結婚して蓮田に住み11年。政治に関心がなかったが、3年前、市社会福祉協議会のホームヘルパー派遣事業の打ち切りをめぐって近所の人が困り、継続を働きかける署名に協力したことで政治に関心を持った。
現職が3人敗れ、新顔が8人当選。30代3人、40代5人となり、全議員の平均年齢は6歳ほど若返る。4選した石川誠司氏(53)は「市議会に不満があり、変えるべきだという有権者が多かったのだろう。真摯(しんし)に受け止める」と話した。(加藤真太郎)