広島平和記念資料館(原爆資料館)が25日、本館のリニューアルを終え、約4年半ぶりに全面オープンした。被爆者の遺品展示に重点を置き、外国人被爆者について紹介するコーナーも設けるなど内容を一新。朝から多くの人が訪れた。
妹の制服だけが残った 泣き崩れた兄、原子核物理学者に
広島・原爆資料館が刷新 実物展示に重点、説明は抑えめ
被爆者は今、核兵器と人類の関係は…核といのちを考える
広島市の松井一実市長は式典で、「被爆者一人ひとりと向き合っていただけるような展示となった。核兵器の非人道性や被爆者、遺族の苦しみ、悲しみを国内外の方々に深く理解していただきたい」と述べた。爆心地から410メートルにあり、多数の犠牲者が出た市立本川小学校(当時は本川国民学校)の児童が「ひろしま平和の歌」を斉唱した。
開館時間の午前8時半には、数十人が列を作った。来館者は、被爆死した児童や生徒らが身につけていた服や弁当箱、被爆者の写真や日記、救護所の映像など計538点の資料に見入っていた。
明治大院2年の生沼(おいぬま)千里さん(23)はリニューアルに合わせて訪れた。「死者の『悲しみ』というより『悔しさ』が伝わってくる。一人ひとりに人生があり、生きたくても生きられなかった人がいた。資料館で感じたことを、この先の生き方に投影していこうと思った」と話した。
修学旅行で訪れた鳥取県倉吉市…