漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(52)とバスケット選手の対談企画の第3シーズン7回目は、Bリーグのチャンピオンシップ初代MVP、琉球ゴールデンキングスの古川孝敏選手(31)です。
【特集】Bリーグ・主役に迫る
井上 今季が、琉球で迎える2シーズン目です。Bリーグ1年目に栃木ブレックスで優勝し、チャンピオンシップの初代MVPに輝いた直後の移籍でした。
古川 優勝したから、MVPを取ったからといって、そのチームに残らなければいけないという考え方は、僕の中にありません。あのときは、プレーの幅を広げたいと思ってチームを変えました。
井上 どんなプレーを求めたのですか。
古川 以前のチームでは、味方をつかって自分がフリーになり、パスを待ち受けてシュートを狙うのが基本的な役割でした。そうではなくて、自らドリブルで仕掛けて味方のマークをおびき寄せ、周りのシュートチャンスを増やせるようになりたかった。この年齢なので劇的に変わるのは難しいかもしれないけど、少しでもステップアップしたかった。それを日本代表にもつなげたいし、東京五輪にも出たいなと。琉球のヘッドコーチに、大学時代の先輩である佐々宜央さんが就任したことも、大きかったです。
大学を出てから琉球が3チーム目になりますが、いずれの移籍も、もっと自分がうまくなりたいと思ったタイミングで決めてきました。チームを移れば、それまで積み上げたものを失い、またイチからのスタートになりますが、新しい環境だからこそ、自分が変われると思っています。
井上 僕も、安定しちゃうとダメになるような気がしていました。同じような作品を描き続けたら、成長しないんじゃないかと。だから、作品を描く場所も、題材も変えてきました。
沖縄へ来て、新たに取り組んでいることはありますか。
古川 今季から、自炊を始めま…