昨年9月に台風の強風で流されたタンカー宝運丸が関西空港の連絡橋に衝突した事故で、国の運輸安全委員会は25日、宝運丸の船長が、いかりを下ろした状態で船が流される「走錨(そうびょう)」が止まったとみて全速力の前進をいったんやめたことで、再び走錨が始まって衝突した可能性が高いとする調査報告書を公表した。
報告書によると、宝運丸は9月4日午前、台風の接近に備えて連絡橋の南約2キロの場所にいかりを一つ下ろす「単錨泊(たんびょうはく)」の状態で停泊。風が強くなった午後1時ごろに走錨が始まったため、流されないよう風上に向かって全速力で前進したが、船が止まったため同10分に前進をやめた。
ところが同20分ごろに再走錨が始まり、船長は同30に気づいて前進を再開したが止められず、同40分に連絡橋に衝突したという。
そもそも船長は、宝運丸の停泊…