自転車乗車中の事故で、ヘルメットをしていない場合の致死率は着用時の約2・5倍――。5月11日から始まる春の全国交通安全運動を前に警察庁は25日、こんな調査結果を発表した。2014~18年の5年間で、自転車乗車中に死亡したり重傷を負ったりした事故は4万6374件。死亡者の6割は頭の傷が致命傷だったが、大半はヘルメットを着用していなかった。
また、学校に通う児童・生徒のうち、高校生のヘルメット着用率は特に低く、3~4%台。高校生の死亡・重傷交通事故は4157件で、小学生と中学生のそれぞれ約2倍だった。
高校生の月別では5月が最多で、4月の352件から5月は480件と128件増えている。通行目的別にみると、登下校時が最多の2669件で約6割を占め、時間帯は午前7~8時台に集中していた。
道路交通法は自転車に乗る13歳未満の子どもの保護者に対し、ヘルメットを子どもに着用させる努力義務を定めているが、条例で18歳未満や高齢者のヘルメット着用の努力義務を定めた自治体もあるという。警察庁は「ヘルメットで命を守ったり、けがを防いだりできる」と訴えている。