宮崎県内のスーパーで販売されている「食べづらいサンドイッチ」が人気を呼んでいる。厚さ約10センチの中に野菜を中心に具材がぎっしりと詰められていて、購入客からは「食べづらいけどおいしい」と評判だ。
考案したのは県内のスーパー「ナガノヤ」「ウメコウジ」などを展開する会社「永野」(宮崎市)。同社の永野雄太社長の「野菜がたっぷり食べられる商品を」の声をきっかけに、試作を重ね、この形にたどり着き、2月中旬から販売を開始した。
当初は「野菜たっぷり彩りサンドイッチ」という名前で販売していたが、実食した永野社長が「とても食べづらい。名前も『食べづらいサンドイッチ』にしよう」と命名。欠点を逆手にとった珍名が話題を呼び、売り上げはじわじわ増えていった。
宮崎市の「ナガノヤ芳士店」では、1日に80~100個が売れる。昼過ぎに売り切れてしまうこともあり、製造量を増やした。商品開発にも携わった店長の甲斐丈寛さん(34)は「開き直った名前のおかげか、食べづらさへの苦情もなく、幅広い客層に楽しんでいただいている」。
1個あたり約300グラムとボリュームがあるが、価格は200円前後で、「食べづらいけど買いやすい」値段設定。これまで数回購入したという男性客(68)は「崩れちゃうので食べるときはハシを使います」。女性客(35)は「安いし、いっぱい食べても罪悪感がないのがいい」。
商品は「目玉焼き」「白身フライ」「フライドチキン」の3種類。具材には、レタス、紫キャベツ、トマト、ニンジン、ハムなどの具材が入っていて、自社製造のパンではさんでいる。具材がこぼれるのを想定して、皿代わりになるパックが付いている。(大山稜)