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シンギュラリティーにっぽん
人工知能(AI)が人間を超える「シンギュラリティー」(技術的特異点)が来るといわれる。すでに生活を大きく変え始めているAIだけでなく、国境を越える巨大企業の「支配力」や超高齢社会など、平成の先は加速度的な変化が起きると予想される。そんな多くの「特異点」に私たちはどう向き合えばいいのか。連載「シンギュラリティーにっぽん」で探る。
独自の言葉で会話始めたAI 「新たな生命」すぐそこに
シンギュラリティー 人工知能(AI)が人間を超えるまで技術が進むタイミング。技術的特異点と訳され、2045年にも来ると言われている。そこから派生して、社会が加速度的な変化を遂げるときにもこの言葉が使われ始めている。
米ロサンゼルス市の地図を映し出したスクリーンに、赤く染まったエリアが数十カ所浮かび上がる。
そのとき、その場で犯罪が起きる可能性が高い「ホットスポット」だ。3月上旬、市内の殺人事件や銃犯罪の半数近くが起きるロス市警南管区の77丁目署の一室。警官ら6人が画面に目を光らせていた。
過去10年に起きた事件の内容や日時、周辺のバーの数、パトカーの滞在時間……。AIが膨大なデータをもとに、犯罪多発地域を150メートル四方ごとに示す。
南管区のデニス・カトウ管区長(59)は「警官の勘ではなく、統計的に正しい情報を教えてくれる」と話す。パトロールは効率的になり、2016年8月の最終週に起きた殺人事件は10%、銃犯罪は20%、前年同期より少なくなった。
市民の守り神になるはずだった…