アフリカ北東部のスーダンで、ダルフール紛争での虐殺にも関与したとされるバシル大統領が失脚して3週間余り。独裁政権を崩壊させた国民は、軍が主導する事実上の暫定政権に納得せず、民政移管を求めてデモを続ける。現場で目立つのは、自由を求め、運動に加わる女性たちの姿だ。
スーダン「第2アラブの春」デモの矛先、大統領から軍へ
4月下旬、首都ハルツームの軍本部前には10万人近いデモ参加者が集まっていた。無職女性イスラ・ゼイダンさん(21)は「私たちは服装も職業の選択も、男性より不自由だった。次世代のために自由で公平な社会を作りたい」。40度超の暑さの中、女性たちはマイクを握り、訴えた。
スーダンは国民のほとんどがイスラム教徒だ。特に女性たちは強権的な前政権から長く抑圧されてきた。紛争で夫や子を失った人も多く、今回の政変で民主化や平等の実現を期待する思いはとりわけ強い。(ハルツーム=石原孝)
政変後も権力握る軍に抗議
「自由を、民主化を我々に!」
長期独裁の前政権を崩壊させた民衆デモは、バシル氏の大統領辞任してもなお、勢いを失っていなかった。抗議はいま、権力を握った軍に向く。
記者は4月24日、政変後の首…