鹿児島県屋久島町で大雨による土砂崩れのため孤立した登山者ら270人のうちの大半が19日午前、一斉に下山を始めた。町などによると、荒川登山口で孤立していた195人、荒川三叉路と呼ばれる場所で孤立していた男性12人、女性11人の計23人のほか、ヤクスギランドでの孤立者38人、高塚小屋にいた13人。残る新高塚小屋については確認を進めている。
大雨予報、分かれたツアー対応 ガイド判断任せに疑問符
「びしょぬれでチョコ分け合った」屋久島で孤立の登山者
このうち荒川三叉路の24人は午前10時すぎから県警機動隊が救助を始め、バスで下山。荒川登山口、ヤクスギランド、高塚小屋からはいずれも徒歩で下山しているという。
陸上自衛隊は19日午前9時すぎ、第1陣として約40人が現地入りし、第2陣の約10人の計約50人態勢で町内で土砂崩れの被害状況の確認をしている。町や県とも重機の投入方法などの対応を協議した。
町によると、足止めされて孤立しているのは、荒川登山口などの270人。一時、262人が孤立していると説明していたが、精査したところ、さらに孤立者がいることが確認されたという。ねんざした人が2人いるという。
また、縦走登山者42人が荒川登山口まで下りてきて、下山にむけて待機していることも判明した。
気象庁によると、屋久島では非常に激しい雨が断続的に降り、19日午前7時40分までの24時間に446ミリの雨を観測した。町は町内全域に避難勧告を出している。
土砂崩れは18日午後、島東部の複数箇所で発生。荒川登山口のほか、国の自然休養林「ヤクスギランド」などへ向かう県道沿いでも土砂崩れが起きた。登山者らは、観光バスや小屋などに避難し一夜を過ごした。