沖縄県内で17日に始まった「平和行進」最終日の19日、宜野湾市の宜野湾海浜公園で「平和とくらしを守る県民大会」が開かれた。大会宣言を採択し、市内にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事を続ける政府を「憲法を否定し、民主主義をないがしろにしている」と非難した。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
主催者によると、1972年の沖縄の日本復帰に合わせ、毎年開かれている「5・15平和行進」には、3日間で延べ約3590人が参加。県民大会には約2千人が集まった。
大会の冒頭、山城博治実行委員長は行進の際に沿道などから妨害を受けたことに触れ、「行進・大会を潰せというメッセージに負けていては、辺野古基地の工事を止め、沖縄の軍事基地を撤去することはできない」と訴えた。
辺野古への移設をめぐり、政府は昨年12月に辺野古沖の埋め立てを開始。今年2月の県民投票や4月の衆院沖縄3区補選で移設反対の民意が示されたが、土砂の投入は続いている。
大会宣言では、こうした政府の姿勢を批判。昨年と同様、「米軍基地の強化、拡大に強く反対する」と明記した。また与那国島や宮古島などへの陸上自衛隊の配備が進んでいる現状についても、「標的にされ、捨て石にされた74年前の惨烈な沖縄戦への回帰そのものだ」と抗議した。
大会には米軍基地を抱える韓国の市民団体も参加し、「どこにも軍事基地はいらない」との横断幕を掲げた。団長の林允敬さん(49)は沖縄戦の戦跡をめぐり、大会に参加。「基地反対を求める沖縄の人たちと思いを分かち合い、国際的な連帯の輪を広げていきたい」と話した。(藤原慎一)