秋の味覚の代表であるサンマの季節外れの水揚げが28日早朝、北海道根室市の花咲港で始まった。今月中旬から北太平洋公海に出漁しているサンマの棒受け網漁の18隻のうち、5隻が27日の夜から次々に入港した。
公海サンマ漁は、サンマが日本近海にやってくる8~12月の間に制限されてきたが、中国や台湾などの漁船が沖合で漁獲を増やし、日本の水揚げ量は減っていた。業界団体の要望を踏まえ、今年から大型船の通年操業が可能になった。
ただ、結果は厳しい。この日の全体の水揚げ量は、生のものが約3トン、冷凍が5・3トン。予定量を大幅に下回り、1匹あたり100グラム程度の小ぶりなものが多い。ある漁船の機関長は「1回の出漁には400万円くらいかかる。このままだと完全に赤字。次の出漁で大きな群れに出合えればよいのだが」と話した。(大野正美)