3月に新装した滋賀県のホームページ(HP)で、担当課の政策などを画面に表示させるためのリンクに不具合が続いている。県民から「つながらない」などの苦情も相次いだ。県は改修を進めているが、2カ月たっても不備は残ったままだ。県は職員による専門チームを立ち上げ、6月中には解消させるとしている。
県広報課によると、県のHPを見やすくするため、2018年度の予算に約1千万円を計上。昨年5月に提案内容などを元に審査する「公募型プロポーザル方式」で、米原市のIT関連会社を選んで委託した。この会社は、HP作成などを請け負う徳島県板野町の業者に再委託していた。
業者は翌6月からHPの作成を始めた。今年3月に完成し、県は3月28日から新装させたという。
しかし、完成したHPに相次いで欠陥が見つかった。各課や出先機関の政策を紹介する画面をつなぐ「リンク」に500以上不具合があった。検索サイト「グーグル」から接続すると、古いHPにつながってしまう。広報課には、県民から問い合わせや苦情の電話が相次いだという。
そもそも業者への委託はHPのデザインや枠組みの作成にとどまっていた。記載内容やリンクなどは県が対応することになっていた。そのため広報課の職員で修正を進めているが、分量が多くて時間がかかっているのが現状という。
県は業者に対して、細かい指示を出すことはなく、仕上がりの確認も不十分だった。広報課の担当者は「HPの細かい部分の管理は県。業者だけが悪いとも言い切れない」と言う。
30日に県庁であった三日月大造知事と自民県議との政策協議では、自民県議から「1千万円もかけたのに」「業者に発注する仕様書に問題があったのでは」「不具合に気付いていない職員もいた」などと、県の対応や姿勢に批判が相次いだ。
これに対して三日月知事は「本当に申し訳ない」と陳謝し、「HPは県政の窓、顔だと思っている。至急改善していきたい」と説明した。今後、広報課だけではなく、情報政策課の職員も入れた部門横断の専門チームを作り、修復を急ぐ方針を示した。(山中由睦(よしちか))