韓国の故金大中(キムデジュン)元大統領の妻で金大中平和センター理事長の李姫鎬(イ・ヒホ)さんが10日、ソウルの病院で死去した。96歳だった。
李さんは、2000年に朝鮮半島分断後初めての南北首脳会談が開かれた際、ファーストレディーとして夫の金氏に同行して訪朝。09年に金氏の死去を受けて北朝鮮が弔問団を派遣したことから、11年に金正日(キムジョンイル)総書記が死去した際、韓国政府の許可を受けて弔問のために訪朝し、後継指導者の金正恩(キムジョンウン)氏と面会した。
15年にも訪朝し、南北関係が冷え込んでいる時期に民間人として関係改善に努めた。熱心なキリスト教徒で、女性の権利向上などに尽力し、民主化運動や元慰安婦の支援活動にも関わった。1980年、金氏が光州事件の首謀者として内乱陰謀の罪で死刑判決を受けた際には、獄中の金氏に手紙を送り続け、精神的に励ました。「夫・金大中とともに 苦難と栄光の回り舞台」(朝日新聞出版)などの著書が日本でも刊行された。(ソウル=武田肇)
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