長時間で退屈なことが多い会社の会議。将来は、人工知能(AI)が会議室のイスを震わせて発言者の交代を促すシステムで、議論を活性化させられるかもしれない――。そんな成果を、東京都市大などの研究チームが情報処理学会の論文誌で発表した。
会議で多様な意見を引き出そうとする研究は欧米で盛んだが、スマホや会議室の画面に参加者それぞれの発言時間などを表示する方法では議論の注意がそらされ効果があがらなかった。
よりよい方法を探るため、チームは2017年春、オフィス家具製造販売のイトーキで実際の社内会議中にイスを震わせる実験をした。外から会議をみている研究者がそろそろ発言者を代わってほしいと判断したら、スマホのバイブレーターのような装置でイスの座面を震わせるなどして参加者に合図を送った。
合図の送り先などの条件を変えて比べた結果、最も効果的なのは、グループ全員のイスを震わせた場合だった。振動から10秒後に6割超の確率で発言者が交代した。発言中の人のイスだけ震わせたときは4割、次に発言してほしい人だけ震わせたときは2割未満にとどまった。合図として天井の照明を点滅させた場合は4割ほどだった。
チームの市野順子教授は「全員…