31年ぶりに再開した商業捕鯨でとれたミンククジラの鯨肉が4日、北海道釧路市で初めて店頭に並んだ。「釧路の台所」と呼ばれる釧路和商市場では、観光客らが鯨肉をのせたどんぶりに舌鼓を打った。
この日は、1日に釧路港に水揚げされたミンククジラ2頭の肉計560キロが、釧路市内の2卸売市場で取引された。調査捕鯨とは異なり、船上で血抜きなどの作業ができるため、鮮度が上がっているという。
東京から来た観光客の男性(34)は、客が店頭で具材を決められる市場の名物「勝手丼」で鯨肉を選んだ。「おいしい! 馬肉に似て、あっさりしている」と声を上げた。
鮮魚店主の売り場責任者は「事前の注文もあり、赤肉をメインに13キロ仕入れた。価格は(調査捕鯨の鯨肉と同じ)昨年並みだが、これより上がると客が離れしまうかな」と話した。
釧路沖での捕鯨は7日まででいったん終了する。再開は9月になる。(宮永敏明)