新型コロナウイルス感染症が世界中を席巻し、世界経済が多大な圧力に耐える中、サウジアラビア時間23日夜にG20の財務大臣と中央銀行総裁がテレビ会議を開き、世界経済への感染症の影響と対応策を重点的に議論した。G20首脳も26日にテレビ会議を開き、新型コロナウイルス感染症への対応でどのように国際社会の足並みを揃えるかという重要な議題について議論するという。(文:海外網・張六陸論説員)
1999年に発足したG20は、今やグローバル・ガバナンスの主要な国際協力体制へと発展した。G20発展の歴史を振り返ると、その発足と発展のきっかけとなったのは、世界に打撃を与えた2度の金融危機だった。新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機を前に、G20は再び危機対応の重要な役割を果たすことができるだろうか。これについて、対外経済貿易大学世界貿易機関(WTO)研究院の屠新泉院長は「重大な世界的危機を前に、G20構成国のような大国はなおさらに建設的役割を果たすべきだ。また、現在G20構成国自身も厳しい防疫状況に直面しており、相互間の協力と助け合いが必要だ」と指摘する。
世界はG20が世界経済への感染症の影響を可能な限り抑えるべく、国際経済協力の足並みを揃えることを期待している。世界経済の発展促進と国際金融の安定確保はG20にとって発足時の初志であるだけでなく、一貫して追求してきた目標でもある。現状を見ると、世界経済への新型コロナウイルス感染症の影響はすでに回避不能だ。正念場において、国際社会はG20が再び勇敢に立ち上がることを必要としている。G20は2008年の世界金融危機に対処するために一連の措置を講じて、世界経済が一層の深みにはまることを回避した。IMFや世界銀行など国際金融機関に1兆1000億ドルの資金を提供して、途上国を始めとする世界各国が難関を乗り越える手助けをした。貿易と投資の開放を維持することを一致して約束し、投資・貿易障壁に反対し、滞りのない貿易を確保した。マクロ政策の調整強化、必要なあらゆる財政・金融・構造的政策手段の発動といった手法は、現在新型コロナウイルス感染症の危機に対処するにおいても同様に大きな参考価値がある。
世界はG20が防疫医療・科学研究協力という各国の共通認識形成を後押しすることを期待している。すでにG20は新型コロナウイルス感染症によって露呈したパブリック・ヘルス・ガバナンスの欠陥を念頭に、世界保健機関(WHO)の活動を支持するとともに、緊密な協力を繰り広げることで、感染状況を監視し、情報を共有し、感染防止措置をタイムリーに講じることを約束している。G20はまた、早期警戒システムの構築、診療プロトコルの完成、ワクチン開発もさらにサポートする。
世界はG20が世界の感染症の戦いの正念場において多国間主義への自信を下支えすることを期待している。国境をまたぐ感染症など世界的な脅威を前に、各国は分断ではなく団結、一方的行動ではなく多国間協力を選択すべきだ。G20が歩調を合わせることが、感染症との戦いにおける国際社会の自信を下支えすることは間違いない。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年3月25日