また江原氏は、中国におけるデジタル経済の現状、行方、そしてその国際連携の可能性についても、両会で議論されることを期待している。江原氏は、「世界は今、大きな転換期を迎えているといわれるが、中国はその最先端にあるといえる。大きな転換期とは、世界が今、第4次産業革命期(主役:5G、AI、IOTなど)に向き合っているということである。中国経済がこれにどう向き合うかは、国際経済ガバナンスにおける中国のプレゼンス・役割を測るバロメーターとなろう。第4次産業革命の主役は経済のデジタル化である。すでに、中国のデジタル経済はGDPの3分の1を占め、今後急速にその比重を高める威勢にある」と指摘。江原氏は、「新型コロナウイルスの来襲時、中国のオンライン経済、クラウド経済、宅(オタク)経済、無接触経済などが大きくクローズアップされたことは記憶に新しい」としたうえで、「デジタル経済は中国の専売特許ではないが、その多彩さ、発展の進度、規模の大きさ、応用範囲の広さから見て、他をリードしているところが少なくない。その中国で、デジタル経済のプラットフォーム建設ともいうべき大事業が展開しつつある。新インフラ建設だ」と述べた。
中国の頂層設計による予防・抑制は世界の見本に
江原氏は、「中国の新型コロナウイルス対策への評価は数々指摘できるが、特に、頂層設計(トップダウン方式)による断固たる封じ込め措置やヒト・モノの大動員は、新型コロナウイルス対策で世界に見本を示したと評価できる。この点は、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も、『このような動員は私の人生で見たことがない』と評価していることからも明らかである」と指摘。さらに、「中国では、こうした非常時を思わせる大動員や、中国の特色ある社会主義(社会主義市場経済)ならではの応戦体制によって、いち早く感染拡大をピークアウトさせている。また、中国が国際友好都市などを通じ、世界の多くの国に新型コロナウイルス対策物資を寄贈したほか、何より、多数の医師を含む医療関係者を派遣し、危機を世界と共に共有し回避しようとした姿勢は、多くの国から高く評価されている。国際経済ガバナンスに加え、国際健康ガバナンスにおいても、中国の果たした役割、今後の期待は高まっていると言える」と述べた。
中日は第三国市場・多分野での協力強化で世界に貢献を
中日経済関係の発展について江原氏は、「デジタル経済におけるグローバル産業・サプライチェーンの新たな構築、第三国市場展開、医療・観光・人材など、新たな交流機会が創出されると考えられよう。世界経済におけるアジア、特に東アジアのプレゼンスが高まっている。世界第2位、3位の経済大国の中国と日本の連携強化が、世界経済の発展や健康の増進に貢献する時代を迎えたと言えよう」と述べた。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年5月21日