中国商用飛機有限責任公司の旅客機「C919」の飛行試験機「B-001C」が24日、地上横風試験を完了し、シリンホト空港から次の空港へと移送された。環球網が伝えた。
今回の横風特定試験は、C919旅客機の横風飛行エンベロープを検証するため行われた。横風特定試験は地上試験と飛行試験に分かれる。地上試験は飛行試験の前の試験であり、飛行試験前に完了しなければならず、そしてこれによって地上横風飛行エンベロープを取得する。
ジェット機は離陸段階または空中で着陸に近づく段階において、強い横風が機体の操作に著しく影響を及ぼすだけでなく、エンジンの稼働状態にも影響を及ぼす。深刻な場合はエンジンのサージング、さらにはエンストが生じる。そのため民間輸送類航空機に対する25部の耐空性規定、または航空機の動力システムに特化した33部の耐空性規定のいずれも、横風飛行条件に関する規定を設けている。
C919は4月23日にシリンホト空港に移送された。中国商用飛機は5月20日までに、エンジン、APU、空調の計3システムに関連する全76ヶ所の横風試験を終えた。これにはエンジンの吸気互換性、APU吸気システムなど6つのMOC5試験が含まれる。
シリンホト空港はモンゴル高原に位置し、春に強風が吹くことが多い。中国商用飛機はさらに空港の総合的な保障能力を考慮し、同空港を強い横風を受けた場合の性能を検証する試験空港に選んだ。同社は2017年に同空港でARJ21-700型リージョナルジェットの横風地上試験を実施し、無事成功させた。
横風地上試験は耐空証明を取得するための重要な一歩でもある。業界関係者は、「C919は初飛行から耐空証明を取得するまで3、4年を要するとされていた。現在すでに横風試験に入っていることから、耐空証明取得の流れから見て、耐空証明取得はそれほど先の話ではないだろう」との見方を示している。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年5月26日