国薬集団と科興公司の2種類の不活化ワクチンの第3相臨床データの発表に続き、中国の新型コロナウイルスワクチンのもう一つの技術ロードマップ、軍事科学院の陳薇院士のチームと康希諾生物が共同で開発するアデノウイルスベクターワクチン「Ad5-nCoV」(または「Convidecia」)の最新データが8日、発表された。パキスタン保健当局者は同日、同ワクチンのパキスタンにおける第3相臨床試験の中間分析結果によると、1回の接種後の重症者への保護効果が100%で、全体的な保護効果が74.8%にのぼると発表した。
同ワクチンの接種回数は1回。現在まで第3相試験データを発表している1回接種のワクチンは同ワクチンとジョンソン・エンド・ジョンソンの「Ad26.COV2.S」しかない。免疫学専門家は、1回接種のワクチンは接種の流れがシンプルで、大規模でスピーディな接種を実現でき、社会全体の防疫戦略に対して重要な意義を持つと分析した。同ワクチンの90%という重症予防率は、病床不足の面でかかるプレッシャーを大幅に緩和できることを意味する。同ワクチンには摂氏2−8度で保存でき、輸送と小分けに適しているというもう一つのメリットがある。
康希諾生物は1日、同ワクチンの第3相臨床試験はすでに5カ国の78の臨床研究センターで4万人以上の被験者を対象に接種を完了したと発表した。また、同ワクチンの第3相臨床試験の実施国には、メキシコ、ロシア、パキスタン、アルゼンチン、チリが含まれる。
同ワクチンの第1相・第2相臨床試験はそれぞれ昨年3月16日、4月12日に武漢で行われた。これは世界で初めて臨床研究段階に入った新型コロナウイルスワクチンだった。臨床試験の結果は、同ワクチンの安全性をおおむね証明した。2段階の臨床試験のデータはいずれも国際的に有名な医学誌「ランセット」に掲載された。
しかしパキスタンが今回発表したデータは、康希諾製のワクチンの有効性がウイルス変異の影響を受けるかについては触れなかった。これまで、ジョンソン・エンド・ジョンソンやアストラゼネカなどが、ワクチンの南アフリカ変異種に対する防護効果がやや低下すると報告していた。このほか、取材を受けた免疫学専門家は、「康希諾製のワクチンの副反応に関するデータをさらに観察する必要がある。アデノウイルスベクターワクチンが本質的に風邪ウイルスのようなもので、接種の過程において風邪の症状が出る可能性があるからだ。体の弱っている人に同ワクチンの接種を推奨するべきかについては、さらなる観察が必要だ」と補足した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年2月9日