楊氏の構想によると、デジタル人民元を利用する際は3つのプロセスを踏まなければならないという。1つ目は対応する携帯電話のアプリをダウンロードすること。2つ目は登録で、氏名、身分証の番号、携帯電話の番号などの情報を打ち込み、アプリの中で必要な個人信用情報調査授権書類を表示して、同意するか拒否するかを選択する。
3つ目は銀行の口座と紐付けすることで、終わると預金を1:1の割合でデジタル人民元に交換できるようになる。
国家金融・発展実験室の曽剛副室長は、「将来は高い確率で2つの口座があることになる。1つはデジタル人民元の口座、もう1つは銀行口座の預金から派生した口座で、両者は交換し合う関係を保つ。預金者はデジタルウォレットから直接支払いができるが、まず銀行口座からデジタル人民元口座に送金し、それから支払いをすることになるだろう」と述べた。
楊氏は利用した時の感じについて、「デジタル人民元ウォレットは現在人々の間で浸透率が高い第三者決済機関による決済と利用方法は似ている。同じようにQRコード決済、指紋認証、顔認証に対応する。しかしこうした決済方法を一度に全部リリースすることはできず、技術的な問題を考えると、まずQRコード決済をリリースし、それから徐々にほかの決済方法をリリースすることになるとみられる」と述べた。
イメージその3:端末同士を近づけて接触させれば送金が完了?
中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長はこのほど行ったオンライン公開講座で、「携帯電話にDC/EP(デジタル人民元システム)のデジタルウォレットが入っていれば、ネットワークさえ不要になり、電話に電源が入っている状態で、携帯電話同士を『近づけて接触させる』だけで、一方のウォレットにあったデジタル通貨を、もう一方のウォレットに移動させることができる」と述べた。
楊氏は、「人民銀のデジタル通貨の大きな特徴は双方向のモバイルペイメントで、ネットワークがない状況で相互に送金できることだ」と述べた。
また楊氏は、「もちろんちょっと接触したらすぐに送金されるわけではない。この機能は暗証番号の入力不要の決済に似ており、利用者は銀行との間で合意に調印し、権限を授与して初めてこの機能を利用できるようになる。送金のシーンでは毎回、口座にあるお金を送るかどうか確認するボタンがあり、これを押さなければ送金はできない。同時に、この機能では上限額が定められ、一定の閾値に達すると送金ができないようになっており、このようにして利用者の口座の安全は確保される。
イメージその4:どのようなシーンでデジタル人民元による決済が可能か?