今年の北京は1月初旬、1966年以降初となる最低気温マイナス19.3度を記録する冷え込みとなり、中国各地でも程度の差こそあれ、厳しい寒さとなった。そんな寒い冬を中国の人々はどんなふうに過ごしているのだろうか?冬ならではの食べ物や遊びとは?今回はそんな中国の冬の過ごし方について紹介していこう!人民網が伝えた。
暖房器具にみる中国
広大な中国において、冬の過ごし方は南北で大きく異なる。北方エリアには「暖気」と呼ばれる団地やエリアごとのセントラルヒーティングシステムが提供されており、北京市を例にすると、毎年11月15日から3月15日くらいまで提供される。戸外は凍てつく寒さだが、家の中に一歩入ればポカポカどころか半そででもOK!というほどの暖かさに包まれることになる。
一方の南方エリアには統一的な暖房システムは無く、日本のような各家庭における暖房器具を使用することになる。南方といっても冬場になれば最低気温が零下に達する地域もあり、また北方よりも湿度が高く、底冷えのする地域も少なくない。そのため、毎年寒くなりだすと話題に上る「今年話題の暖房グッズ」の多くは実は南方エリアの人々が買い求めていると言っても過言ではない。
寒い時に食べるのは?
寒い時に欲しくなるのは熱々の鍋だったり、ホカホカの焼き芋に、ほっと一息つけるホットドリンクなど。中医学的にも体を温める食材の羊肉を使ったしゃぶしゃぶなどは北京の冬の名物であり、まさにこの時期にピッタリな料理と言えるだろう。
しかし、1月の平均気温はマイナス19度という黒竜江省哈爾浜(ハルビン)の場合、寒い冬にはアイス!なのだ。当然ながら戸外の気温が冷凍庫並みなので、外にそのまま並べて売られているという。この他にも「凍果」と呼ばれる凍らせた(というか、外に置いておいたら凍ってしまった?)果物なども東北地方の冬の名物だ。
バラエティ豊かな冬の遊び
2022年の北京冬季五輪誘致が決まってから、中国はウィンタースポーツの振興に国を挙げて取り組んできた。こうした動きを受け、ここ数年、スキーがにわかに注目を集めるスポーツとなっている。しかし、こうしたウィンタースポーツだけでなく、北方エリアには手作り感満載な冬の遊びもたくさんある。
北京でも年が明けて、一段と冷え込むようになると、市内の湖などが天然のスケートリンクとなり、あちこちで氷上スポーツを楽しむ姿を目にすることができる。自転車を改造したタイプや、椅子タイプの氷上ソリ「冰車」などは、誰でも楽しむことのできる乗り物。また東北エリアには「単腿驢」という名のまるでスケート靴のような構造の氷上ソリもある。
しかし、セントラルヒーティングも防寒グッズも無かった昔の人々は、冬至から9回9日が過ぎたら、つまり81日過ぎたら春がやって来ると、梅の絵や文字バージョンの「九九消寒図」を一筆ずつ色塗りしたり、筆を入れながら、春を待ちわびていた。数年前にはそんな昔の人々の優雅な楽しみを再現した「九九消寒図」を故宮出版社が発売したところ、売り切れになるほどの人気を集め、新たな冬の楽しみの一つとなっている。
年明け後も新型コロナウイルス感染症流行拡大の勢いは衰えておらず、まだまだ感染対策に気の抜けない日々が続いているが、しっかりと防寒対策をして、食べ物や体調管理に気を付け、冬ならではの遊びも楽しみながら、暖かい春の訪れを待とう!(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2021年1月26日