習近平国家主席は25日夜、世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会合「ダボス・アジェンダ」に北京から出席し、「多国間主義の松明で人類の前進の道を照らす」と題する特別演説を行った。新華社が伝えた。 習主席は「この時代の抱える課題を解決するための活路は、多国間主義を維持し、実践し、人類運命共同体の構築を後押しすることにある。21世紀の多国間主義は正しきを守り新しきを打ち出し、未来志向である必要があり、多国間主義の核心的価値と基本原則を堅持すると同時に、世界構造の変化に立脚し、グローバルな試練への対処の必要性に着眼する必要がある。開放・包摂を堅持し、国際法という基礎を堅持し、協議・協力を堅持し、時代に合わせた進歩を堅持する必要がある。中国は引き続き積極的に新型コロナウイルス感染症との闘いにおける国際協力に参加し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を実施し、持続可能な発展を促進し、科学技術革新を推進し、新型の国際関係の構築を後押しし、人類運命共同体の構築に向けてたゆまず邁進する」と強調した。 習主席は、「過去1年、突如振りかかった新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界中で猛威を振るい、世界の公衆衛生は深刻な脅威に直面し、世界経済は深い後退に陥り、人類は史上まれに見る多重の危機を経験した。現在もなおパンデミックは終息には程遠く、新型コロナ感染症との闘いは続いている。だが我々は、厳冬が春の訪れを阻むことはできず、闇夜が黎明の曙光を覆い隠すことはできないと堅く信じている。人類は必ずパンデミックに打ち勝ち、災禍との闘いの中で成長し、進歩し、灰塵から甦ることができる」と述べた。 また、この時代の課題として、(1)マクロ経済政策の協調を強化し、世界経済の力強く、持続可能で、均衡ある、包摂的な成長を共に後押しする(2)イデオロギー的偏見を棄て、平和共存、互恵・ウィンウィンの道を共に歩む(3)先進国と発展途上国との間の発展格差を克服し、各国の発展と繁栄を共に後押しする(4)グローバルな試練に連携して対処し、人類の素晴らしい未来を共に築く、の4点を挙げた。 習主席は、「世界の問題は複雑で入り組んでおり、問題解決の活路は、多国間主義を維持・実践し、人類運命共同体の構築を後押しすることにある。開放・包摂を堅持すべきであり、閉鎖的・排他的であってはならない。国際法を基礎として堅持すべきであり、唯我独尊であってはならない。協議・協力を堅持すべきであり、衝突・対立してはならない。時代に合わせた進歩を堅持すべきであり、古い殻に閉じこもり進歩を求めぬようではいけない」と強調。さらに、気候変動に関するパリ協定と「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を実行に移す必要性も指摘した。 さらに、「中国は社会主義現代化国家の全面的建設という新たな道のりを切り開いた。我々は新発展段階に立脚し、新発展理念を貫徹し、新発展構造を積極的に構築し、平和が永続し、普遍的に安全で、共に繁栄する、開放的・包摂的で、クリーンで美しい世界を各国と共に作り上げていく」と表明。以下の方針を挙げた。 ーー中国は引き続き新型コロナ感染症との闘いにおける国際協力に積極的に参加していく。感染防止・抑制の有益な経験を各国と共有し、新型コロナ対策能力の脆弱な国や地域をできる限り支援する。ワクチン協力を強化して、本当の意味でワクチンを各国の人々が入手でき、使用できる公共財にする。 ーー中国は引き続き互恵・ウィンウィンの開放戦略を実施していく。「脱グローバル化」や封鎖・デカップリングは誰の利益にもならない。中国は経済のグローバル化を終始支持し、対外開放という基本国策を揺るぎなく実施する。貿易と投資の自由化及び円滑化を促進し、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの円滑性と安定性を維持し、「一帯一路」(the Belt and Road)の質の高い共同建設を推進し、市場化、法治化、国際化されたビジネス環境を引き続き作り、超大規模市場の優位性と内需の潜在力を発揮し、世界経済の回復と成長にさらなる原動力を与える。 ーー中国は引き続き持続可能な発展を促進していく。エコ文明建設を強化し、二酸化炭素排出量の2030年までのピークアウトと、2060年までのカーボンニュートラルを確実に実現させる。全人類にとって有益な事でありさえすれば、中国は道義的義務感をもって行い、しかもしっかりと実行し、実際の行動によって多国間主義を実践する。 ーー中国は引き続き科学技術革新を推進していく。科学技術への投入を拡大し、知的財産権の保護を強化する。科学技術の成果は全人類に幸福をもたらすべきであり、他国の発展を制限・抑制する手段とすべきではない。中国はより開放的な思考と措置によって国際的な科学技術交流・協力を推進し、各国と連携して開かれた、公平かつ公正で差別のない科学技術発展環境を作り上げていく。 ーー中国は引き続き新型の国際関係の構築を後押ししていく。「勝つか負けるか」や「勝者総取り」は中国人の処世哲学ではない。中国は独立自主の平和外交政策を揺るぎなく遂行し、各国との友好協力関係を積極的に発展させ、南南協力をたゆまず深め、世界経済ガバナンスにより積極的に関与し、経済グローバル化のより開かれた、包摂的で、あまねく恩恵を及ぼす、均衡ある、ウィンウィンの方向への発展を後押しする。 習主席は最後に、「人類にとって地球は1つだけであり、未来も共通のものが1つあるだけだ。現在の危機に対処するのであれ、素晴らしい未来を共に創造するのであれ、人類は同舟相救い、団結・協力する必要がある。実践が再三証明しているように、災いを他国に押しやるいかなる手法も、単独行動のいかなるアプローチも、自画自賛のいかなる傲慢も、最終的には必ず失敗に終わる。我々は手を携えて、多国間主義の松明で人類の前進の道を照らし、人類運命共同体の構築に向けてたゆまず邁進しようではないか」と強調した。(編集NA) 「人民網日本語版」2021年1月26日 |
習近平主席が「ダボス・アジェンダ」で演説
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