春節(旧正月、今年は2月12日)に先立ち、ショッピングイベント「デジタル王府井、氷雪ショッピングまつり」の中で、北京市民5万人が抽選でデジタル人民元がプレゼントされた。春節連休期間中には、北京市で打ち出された「デジタル人民元ハードウォレット」や「ウェアラブルスマート決済デバイス」などの決済手段が、これまでに登場した新しい決済手段にも増して消費者に新鮮な印象を与えた。
「見えるカード」で健康宝も楽々登録
中国郵政貯蓄銀行は、北京健康宝(北京市の健康状態確認プログラム)の機能を加えたデジタル人民元の「見えるカード」のハードウォレットと指紋認証カードのハードウォレットを打ち出し、デジタル人民元の決済と健康宝の登録が「1枚のカードでOK」になった。
このカードは見かけは銀行のキャッシュカードによく似ており、電子ペーパーが組み込まれた四角い窓枠があって、ここに支払金額と残高が表示され、利用状況が一目瞭然だ。
同行の北京分行東城区支店の張春■(王へんに路)副支店長は、「高齢者はこのカードで直接、健康コードの読み取り・登録を行うこともできるので、スマートフォンの操作が難しくて外に出づらくなるという問題が解決される。またこのカードは端末にかざすだけで取り引きが完了する」と説明した。
このカードは高齢者などスマート端末を使うのが難しい層にとって朗報であるだけでなく、将来的には海外から中国を訪れた人に便利なサービスを提供し、外国人が中国で消費や移動をする時に決済で困るという問題を解決するものになると期待される。
ウェアラブルデバイスによる自動決済
見えるカードや指紋認証カードなどの一般的な実体型カードだけでなく、デジタル人民元ハードウォレットには「新手」もある。たとえば、北京の工美大厦の2022年北京冬季五輪・パラリンピック公式グッズ旗艦店で注目を集めるスマートスキーグローブがある。買い物をする際、端末にグローブをかざすだけで決済が完了するという。
中国銀行北京市分行の行員のデモンストレーションを見ると、このウェアラブルデバイスのスマートスキーグローブはデジタル人民元の決済シーンで非常に使い勝手がいいことがわかる。同関係者の行員によれば、このデバイスは中国銀行と中国聯通(チャイナ・ユニコム)が協力して打ち出したもので、中にデジタル人民元ウォレットのチップがはめ込まれ、端末にかざすだけで決済が完了し、移動中やネットワークの通信状態が不安定な時などスマホを使いづらい状況で威力を発揮する。
中国銀行はスキーグローブのほか、スマートウォッチ、スマートバッジなどさまざまなウェアラブルデバイスを打ち出し、グローブと同じように取り引きや決済が楽に行えるようにした。同行員は、「私たちは普通の手袋、腕時計、バッジにデジタル人民元モジュールを組み込んだ。今後、こうしたものが徐々に普及するにつれ、さらに多くのモデルが開発されるようになるだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月8日